新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、愛知県美浜町の「渡辺病院」が昨年四月と五月、看護師として勤務していた女性(40)の虚偽の予診票(接種記録)を二度作成し、女性が居住する同県常滑市に提出していたことが分かった。
同病院はこの時期、希望する職員への接種を実施していたが、女性は接種していなかった。
県はこうした事実を把握し、法令に抵触する可能性があるとみて近く調査を始める。 (伊藤隆平)

 常滑市などへの取材によると、女性は同病院で医療従事者への優先接種が行われた際、アレルギーなどのため接種を希望しなかったが、昨年四月三十日に一回目、五月二十二日に二回目の接種をしたとする予診票が市に提出されていた。いずれの予診票にもワクチンのメーカーと製造番号を記したシールが貼られていた。
 昨年十二月、三回目の接種券が届いたことを不審に思った女性が市に問い合わせ、虚偽の予診票が提出されていたことが判明。その際、同病院の渡辺靖之院長は女性に「予診票は自分の指示で(病院の)事務長が書いた。あなたの名前を使って、他の人にワクチンを使用した」と話していた。

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