記録的な大雨に見舞われた宮城県大崎市鹿島台の品井沼遊水地一帯は、被災から3日がたった19日も水が引かず、住宅や農地は浸水したままになっている。解消されるまであと数日はかかるとみられ、生活再建へと動き出した市内の他地域を横目に住民は気をもんでいる。

 鶴田川と広長川、国道346号などに囲まれた品井沼遊水地は、排水路を伝って周囲から水が集まる構造になっている。15日夜からの記録的な大雨で、鶴田川や吉田川が決壊することはなかったが、周囲から大量の水が流入して冠水した。

 近くの品井沼排水機場に加え、国土交通省のポンプ車7台がフル稼働で排水に当たるが、冠水規模が大きく追い付かず、遊水地付近の複数の住宅が水に漬かったままだ。

 鶴田川の北側にある建築業佐々木盛彦さん(65)の自宅や作業場は16日朝から浸水している。車が近づけない状態のため、災害ごみの片付けなども手が付けられない。「以前あった排水機場を復活させてほしい」と雨空を見上げた。

住民、市の情報発信不足を批判

 「3年前の台風19号から何も進歩していない」。住民のITエンジニア末永克さん(52)は行政の対応を批判する。当初、市のホームページに鹿島台の被害状況が掲載されず、ポンプ車が排水を始めたのが18日と遅れたとみる。3年前も情報発信が乏しく、しばらく被害が放置されたという。

 末永さんは「被災状況が広く知られなければ、ずっと放置されかねない。市民が情報を寄せる仕組みが必要ではないか」と訴える。

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