重慶市興湖村に住む農民の男、張科は、2019年前半に、ネットを通じ、ライブ配信などを行うネットアイドルの一人の女性を知った。発表では、このネットアイドルが、様々な理由をつけて、張に対し常に金銭財物を要求したとなっているが、金銭財物とは、状況から考えて、ライブ配信中に視聴者がパフォーマーに送るバーチャルのプレゼント、いわゆる「投げ銭」だろう。
 張はネットアイドルに送る金や借金の返済に充てる金欲しさに、当時10歳の息子を殺害した。同年12月21日の午後10時頃、張は息子を近くの採石場に誘い出した上、両手で息子の口や鼻を押さえつけ窒息死させた。その後、息子の遺体を採石場まで運び、崖の下に落とした。事故を装おうためだった。張は、息子の生命保険金と採石場を所有する会社からの賠償金を騙し取ろうとしたのだという。
 翌日、張は息子の遺体を見つけた後、自ら警察に通報した。

 張は、故意殺人罪で死刑判決を受けた。金でネットアイドルの歓心を買おうとして保険金や賠償金を騙し取ろうとした動機は卑劣であり、手段は残忍、その罪は極めて重いという理由だった。検察側、張の側も上訴せず刑は確定した
 そして2022年7月27日、張の死刑は執行された。

https://news.yahoo.co.jp/byline/miyazakinorihide/20220730-00307893