《スクープ映像入手》旧統一教会のフロント組織「勝共連合」会長が安倍元首相との“ビデオ出演”交渉の裏話を激白
https://bunshun.jp/articles/-/56249
今回、筆者が入手した映像は、2021年10月17日に統一教会松濤本部・渋谷教会で行われた梶栗(かじくり)正義・UPF-Japan議長・国際勝共連合会長による日曜礼拝の説教「神のかたち」を収めたものだ。この映像の中で梶栗氏は、ひと月前の9月12日に韓国で開かれた「希望前進大会」に安倍氏がビデオ登壇した裏側を明かしていた。
中略
元首相3人へのオファーしたものの、そのうちのひとつの事務所からはこう告げられたという。
「宗教団体のフロント組織でしょ?」
「結局あなたたちはわたくしどもの先生を宣伝材料に使いたいだけでしょ? 利用したいだけでしょ? あなたたちに利することがあって私どもの先生に利することはいったい何があるんですか? UPFと言ったってそんなのは家庭連合・宗教団体のフロント組織でしょ?」
フロント組織を隠れ蓑に政治家を広告塔として布教活動に利用してきた旧統一教会に対する厳しい批判だが、このことを梶栗氏が教団幹部に告げたところ、その幹部から返ってきたのは、「実際その通りだしな」という言葉だったと明かしている。
けっきょく3人の元首相からは断られたものの、世界宣教本部の尹(ユン)ヨンホ本部長から、トランプ前大統領の出演が決まったことを告げられたうえで、「例の取り組み」を始めるよう指示される。その「例の取り組み」こそ、安倍氏のブッキングだった。
梶栗氏は、安倍氏との間に「ずっと温めてきた信頼関係」があると誇ってみせる。実は昨年春、安倍氏との間でこんなやりとりをしていたという。
梶栗「これ先生、もしトランプがやるということになったら、やっていただかなくちゃいけないが、どうか」
安倍「ああ、それなら自分も出なくちゃいけない」
梶栗氏は、韓総裁に手紙でこのやり取りを伝えていたため、尹本部長から指示されたのだ。梶栗氏は再度説得に動き、8月末に安倍事務所から「やりましょう」との承諾を得た。そして撮影は9月7日に決まる。
元首相をブッキングした梶栗氏の自慢話は止まらない。
「あの皆さん、(安倍氏が講演で)語られた内容、覚えてますか? 本当に立派な内容を語られたんですよ。そこでね、言わんとされているのは、本当に私(安倍氏)が信頼し、ともに日本の再建のために信頼して一緒にできる団体はどこか、というね。こういう角度から私たちに対する信頼を深めてきたと」
そして梶栗氏は、安倍氏との信頼関係は「一朝一夕の話ではない」と強調して、自分がビデオ撮影のあと安倍氏を見送る際に見た「霊界の後押し」について語り始めた。