国際芸術祭「あいち2022」が30日、愛知県で始まり、国内外から参加した作家100組による現代アートの祭典が繰り広げられる。大村秀章知事や片岡真実芸術監督らがメイン会場の愛知芸術文化センター(名古屋市)10階の愛知県美術館でテープカットをして開幕を祝った。

愛知芸文センターのほか、繊維業で栄える一宮市や焼き物の産地・常滑市、有松絞で知られる名古屋市緑区の有松地区がまちなか会場として初めて活用され、現代美術作品が古い町並みや工場跡地などに展示された。
片岡芸術監督は「4会場を回って、作品だけでなく、建物や土地の歴史も合わせて見てほしい」と話した。

 一宮市の旧毛織物工場では、ドイツ在住の現代美術家、塩田千春さんが赤い毛糸などを張り巡らせたインスタレーション「糸をたどって」を発表。来場者がクモの巣のようになった空間をくぐり抜けて楽しんでいた。

 芸術祭は3年に1度開催。前回の「あいちトリエンナーレ2019」では、慰安婦をモチーフにした少女像などを展示した企画展に抗議が殺到し、今回は名称や運営体制を一新した。

 市民団体が8月、名古屋市の施設で「表現の不自由」をテーマにした展示会を開催する。

https://mainichi.jp/articles/20220730/k00/00m/040/171000c