言うこと聞かない原住民を茨の穴に追い詰めて皆殺しにしたから茨城



http://nire.main.jp/rouman/sinwa/hitatihudoki.htm
昔、山の佐伯さへき、野の佐伯といふ国巣く ず(俗に「つちくも」または「やつかはぎ」)がゐた。普段は穴を掘ってそこに住み、人が来れば穴に隠れ、去った後でまた野に出て遊んでゐた。まるで狼か梟ででもあるかのやうに、あちこちに潜んでゐては、物を盗み、祭に招かれても様子がをかしく、風習がまったく異なってゐた。

あるとき、大おほの臣の一族の黒坂命が、野に狩りに出て、あらかじめ彼らの住む穴に茨うばらの刺を施し、突然、騎兵を放って彼らを追ひ立てた。

佐伯たちは、あわてて穴に逃げ帰ったが、仕掛けられた茨の刺がからだ中に突き刺さり、あへなく皆死んでしまった。このときの茨から、茨城の名となった。 諺に「水泳みづくぐる茨城の国」といふ。