西大寺駅前の献花台に供えられた花は、ボランティアが定期的に段ボールに移し替えて
トラックに積み込んでいた。その後、「回収された花は肥料になる」(ボランティア)という。
一方、山口・下関の安倍事務所に供えられた花の行き先は違っていた。

安倍氏が亡くなって1週間が経った7月15日、真夏の日差しの中、
安倍事務所に設置された献花台にはまだ人の列が絶えなかった。
家族連れなどが続々と詰めかけ、車で遠方から訪れている人もいた。

その日、午後5時を過ぎると青色のゴミ収集車が事務所の裏口にある駐車場に止まった。
すると事務所から出てきた礼服姿の後援会関係者とみられる男性が、
無言で集まった花を収集車に詰め込んでいたのだった。
下関市で廃棄物処理業を営む会社経営者がこう話す。

「安倍事務所にあった献花は、事務所から依頼を受けてうちの会社が回収しました。
急な依頼だったので、当日空いていた従業員が回収車を運転して直接引き取りに行きましたね。
お引き取りしたものは、一般廃棄物として他のゴミと一緒に処分させていただきました」

ちなみにこの会社経営者は安倍氏を支援していたという。
肥料にはならず、ゴミとして処分された安倍事務所の献花。