怪優・佐藤二朗の正体 
野間口徹は「アドリブっぽく見せて、全部緻密な計算」と分析
8/1(月) 7:15配信

 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で中心人物を担っている佐藤二朗(53)。
一癖も二癖もある役を演じる怪優として知られるが、俳優仲間や監督は
その演技をどのように見ているのだろうか。

【写真10枚】背丈ほどの枯れ草が茂り、金糸の刺繍入りの着物や立烏帽子を
纏う佐藤二朗(比企能員)。他、印象的な場面も

「この人は底が知れない」
 佐藤と同じ信州大学出身で、同じくバイプレイヤーとして活躍する野間口徹は、
佐藤についてこう語る。

「大学時代はちょうど入れ違いで、二朗さんを知ったのは僕も大学を卒業した
後でした。2学年上の先輩から『佐藤って人も役者やってるよ』と聞いていて、
たまたま連れて行かれた劇団『ちからわざ』の公演に二朗さんが出ていて、
初めて顔と名前が一致したんです。

 これを言うと二朗さんに“営業妨害だ”って言われますが、二朗さんの
演技はアドリブっぽく見せて、全部緻密な計算をされていると思います」

 なかでも野間口が感銘を受けたのが、『わたしたちの教科書』
(2007年・フジテレビ系)での佐藤の演技だったという。ことなかれ主義で、
死んだ女子生徒がいじめられていたことを知りながら、ずっと隠し続けていた
中年教師(佐藤)。しかし、法廷で菅野美穂演じる弁護士に問い詰められ、
ついに「いじめはあった」と告白する。物語が急転する重要な場面だ。

「《その瞬間から泣き始めるんだ、この人は底が知れない人だ》と二朗さんに
長文のメールを送りました。役者に直接感想を伝えたのは、後にも先にも
あの時だけです。

“そんな人いないよ”というようなキャラクターも、“いや、いるかも……”と
思わせてくれるところがすごい。ご本人はつらいこと、苦しいことを笑いに
変えてくれる素敵なお兄さん、いや、オジさんなんですけどね」(同前)

“超個性派”であり繊細な佐藤には、どの俳優も近づけない魅力があるというのだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c01139a15b23180af865cfcf1cb18ceec8c7045a