参院選の演説中に銃撃されて死亡した安倍晋三元首相を悼むため、福岡市教育委員会が、安倍氏の葬儀が行われた7月12日から15日まで、全ての市立学校226校に対し、弔旗掲揚に配慮を求める文書を出していたことが分かった。

市教委は「強制ではなく、政治色があるものではない。市からの通知を学校にお知らせしたに過ぎない」とするが、学校現場などからは懸念や困惑する声も聞かれる。

市などによると、市総務企画局は7月11~15日に市役所本庁舎1階ロビーに記帳所と献花台を設置し、本庁舎で半旗を掲揚することを決めた。

各部署に対しては11日付で文書を出し、各公共施設でも「これらの取組みの趣旨を鑑み、下記のとおり弔旗掲揚について、ご配慮いただきますようお願いいたします」とした。弔旗掲揚の期間は同12~15日としている。

これを受け、市教委は市内の小学校144校、中学校70校、高校4校、特別支援学校8校に同じ文書を通知。実際に何校が掲揚したかは把握していないという。

福岡市の高島宗一郎市長は安倍氏と親交が深く、遺体が安置された自宅を同10日に弔問したことを明らかにしている。

市によると、今回の弔旗掲揚の決定に高島氏は関与していないという。一方、福岡県教委や北九州市教委は学校に対し、弔旗掲揚の要請などはしていない。

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