生活保護を不正受給したとして詐欺容疑で京都府警山科署に逮捕された男が、不正受給期間中に本名と異なる氏名で、
京都市の施設のセンター長として勤務していたことが3日、市や府警などへの取材で分かった。市は、7月19日の逮捕時に
勤務実態を把握していたが公表せず、山科署に対して事前に報道発表内容を問い合わせて確認していた。

 詐欺容疑で逮捕されたのは伏見区の男(73)で、2019年5月~今年4月の間に、
収入があることを隠して生活保護費178万円を詐取した疑いが持たれている。

 市によると、男は2013年度~今年3月末、京都市南区の市民活動支援施設に本名と異なる氏名で勤務し、
2014年4月からセンター長だった。この施設は、市から指定管理者として委任された会社(京都市右京区)が
運営を代行しており、男は同社から給与を得ていたという。

 また、逮捕前の今年7月上旬、京都市の担当者が山科署に対し、報道発表で市施設での勤務実態を
公表するかどうか確認する趣旨の連絡をしていた。山科署は、市施設での勤務実態を発表しなかったが、
「市の問い合わせで報道発表内容が変わったことはない」としている。

 この施設は、会議室などの貸館業務や高齢者サロンの運営を行っている。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/849525