東証スタンダード上場のテラ(株)(TDB企業コード:985728098、資本金33億1540万7989円、東京都新宿区西新宿6-5-1、代表木内清人氏)は、8月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。
 
 破産管財人は、安達桂一弁護士(東京都千代田区九段北4-1-5、岩崎・安達・岡本法律事務所、電話03-3234-5221)が選任されている。

 当社は、2004年(平成16年)6月に設立。東大医科学研究所の持つ技術・ノウハウの権利を独占し、東大発のバイオベンチャー企業として、がん免疫細胞療法であるがん樹状細胞ワクチン療法(以下がんDC療法)、アイマックスがん治療のノウハウ提供を主力に、各種技術の有償供与のほか、細胞加工の製造開発受託事業、細胞加工施設の貸与、運営受託および保守管理サービス、遺伝子検査サービスなどを手がけていた。がんDC療法はがんに特異的な免疫反応を起こすことができ、外科療法、放射線療法、化学療法に次ぐ第4の療法として注目されており、がんDC療法専門クリニックなど全国30内外の医療機関を得意先に、2012年12月期には年収入高約15億4400万円(連結)を計上していた。

 しかし、がん治療の多様化により競争が激化し、契約医療機関からの収入の落ち込みを余儀なくされ、2020年12月期の年収入高は約7600万円(連結)にまで減少。研究開発負担が重く、2014年12月期以降、8期連続で営業損益段階から赤字決算が続き、2018年12月期から継続企業の前提に関する注記がなされていた。
この間、金融機関からの借入金や第三者割当増資などの資金調達で賄っていたが、2018年6月に資金調達に関する意思決定過程の適切性および元代表の株式売却手続きの法令違反および社内規定違反等の疑義が生じたことを公表、同年8月10日には第三者委員会が設置されたことに加え、2019年7月には過去の有価証券報告書における重要事項の不記載問題により、証券取引等監視委員会から課徴金の納付勧告を受けるなど信用が失墜していた。

 その後も、主要取引先であった(医)医創会(TDB企業コード:960255427、2020年12月民事再生法)に属する医療機関との取引停止のほか、過去に当社が適時開示を行った内容が事実と異なることが社内調査報告書で明らかとなり、2021年10月に東証より特設注意市場銘柄に指定されたことに加え、上場契約違約金の支払いを求められる事態に陥っていた。こうしたなか、同月22日には当社の会計監査人から監査契約解除通知を受領。2021年12月期第3四半期報告書の提出が遅延したことで、同月29日付で当社株式は監理銘柄(確認中)に指定されるなど動向が注目されていた。

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