巡航ミサイルを搭載したB52爆撃機の前に置かれた演台で、カーター長官は「更新を進めていかなければ、これらのシステムは確実に老朽化していき、安全性、信頼性、有効性が低下していくだろう」と語った。

「実際のところ、わが国の核兵器運搬手段は、大半が当初の耐用年数を超え、もう何十年も延長されている。
したがって、もはやこれらのプラットホームを交換するか維持するかという選択ではない。交換するか、それとも失うかという話なのだ」とカーター長官は言う。

カーター長官によれば、ロシアはすでに新たな核兵器システムを構築しており、同国の指導者たちが核兵器について十分に慎重かどうかという点で疑問が生じている、という。また同長官は、北朝鮮が引き続き脅威になっているとも述べた。
試練の時期が到来するのは2020年代だ。米国の弾道ミサイル搭載潜水艦、巡航ミサイル搭載戦略爆撃機、大陸間弾道ミサイル(戦略核戦力の3本柱)が耐用年数の終わりを迎えるからである。

議会予算局の試算では、核戦力にかかる総コストは、2024年までで3480億ドル(約35兆1340億円)となっている。だがこの金額には、2020年代後半に予定されている最も高額な更新費用が含まれていない。外部による試算では、核戦力の維持・近代化のコストを30年間で約1兆ドルとみている。

https://jp.reuters.com/article/usa-nuclear-future-idJPKCN12015V