第32回オリンピック競技大会東京大会(東京五輪)は8日、閉会式が国立競技場(東京都新宿区)で無観客で行われ、17日間の大会の幕を閉じた。新型コロナウイルスの感染拡大で史上初の1年延期となり、大部分の会場が無観客となるなど、異例ずくめの大会だった。

 選手たちが国籍や人種などの違いを超えて競い合い、認め合うスポーツマンシップや日本勢の活躍で、世論の逆風はある程度和らいだ。一方、新規感染者が急増し、五輪との関係が指摘されるなど、国論を二分したままだった。

 205の国・地域(ロシアは個人資格での参加)と難民選手団合わせて選手約1万1千人が参加。日本は史上最多の金メダル27個を獲得し、銀14個、銅17個を合わせた総メダル数58個も史上最多だった。

 大会組織委員会によると、7月1日以降の選手や大会関係者のコロナ陽性は430人だった。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長や菅義偉首相らは五輪と感染拡大の関係を否定。バッハ会長はこの日のIOC総会で五輪を「成功」と評価し、「適切な時期に開催したと自信を持って言える」と述べた。医療の専門家らからは「国民の意識に間接的な影響を与えた」と指摘が出ている。

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