https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/06546/

富士通がメインフレーム製造・販売から2030年度に完全撤退へ、66年の歴史に幕

富士通が2030年度(2031年3月期)末にメインフレームの製造・販売から撤退することが、2022年2月10日までに日経クロステックの取材で分かった。国内メインフレーム市場で首位(出荷台数ベース)を誇り、長年にわたり日本企業の情報化を支えてきた老舗メーカーが約66年にわたるメインフレーム製造の歴史に幕を閉じる。

 併せてUNIXサーバーも2029年度下期に製造・販売を終了する。同社は縮む市場からの撤退を決断し、クラウドなどを駆使したサービス企業への転換を本格化させる。
 富士通は近く、両製品を利用中の顧客向けに説明を始める見通しだ。製造・販売終了後も、保守を5年間継続するため、メインフレームは2035年度末に、UNIXサーバーは2034年度中に終焉(しゅうえん)となる。利用企業には保守期間の終了までにクラウドなどへの移行が求められる。
 同社は現在、メインフレーム「GS21シリーズ」と、UNIXサーバー「SPARC M12」を手掛けており、これらすべてから撤退する。

 メインフレームについては2024年度に発売予定の次期モデルを最終機とし、2030年度に製造・販売を終える。同社が1964年に発売した「FACOM 230シリーズ」以来、約66年のメインフレーム開発の歴史に幕を閉じる格好だ。
 UNIXサーバーについては最新の「SPARC M12」を最後に、規格更新のエンハンスモデルを除いて次期モデルは出さない見通しだ。