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オフィスコーポレーション 建設現場備品レンタル好調 個人向け家電にも参入

オフィス設備のレンタルを手掛けるオフィスコーポレーション(広島市)が業績を伸ばしている。建設現場で使われるユニットハウスや備え付けの設備の貸し出しが主力で、一般の知名度は高くないが、東北から九州まで拠点を持つ全国企業だ。最近は個人向けの生活家電や家具の貸し出しにも参入。さらなる成長を目指す。

「東京五輪、G20サミットなどの大きな仕事に声がかかることも増えてきた」。栗栖章社長は自社の成長を実感している様子だ。2021年3月期の売上高は36億円で、前の期比14%伸びた。増収は11期連続となる。

オフィスコーポレーションが手掛けるのは建設現場で仮設事務所にするユニットハウスや、その中に設置する机、椅子、ロッカーといった備品の貸し出しだ。確定申告の会場、選挙事務所、イベント会場での備品貸し出しも扱う。東京五輪でも警備担当者向けの宿舎用のベッドなどを貸し出したという。

前期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になるイベントもあったが、東京五輪やワクチン接種会場での備品貸し出しなどが業績に寄与した。

宮城県から佐賀県まで、本社を含め全国に21事業所を構える。知名度があまり高くないのは黒子に徹してきたためだ。建設会社は建設機械とまとめて備品をレンタルすることが多く建機レンタル会社などの陰に隠れた存在だった。

栗栖社長は2代目。1990年に父親が設立した会社の経営を2018年に引き継いだ。栗栖社長は「レンタル品はちゃんとメンテナンスしてきれいな状態で出す。運送会社に任せず、社員が自ら納品する。こういったごく当たり前のことをやってきただけ」と話す。

新規事業として21年に始めたのが個人向けの家具・家電レンタルだ。ネット上に個人向けレンタルの専門サイト「レンタル生活」を開設、26種類の家具・家電をそろえた。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどを扱い、最短1カ月、商品1点から貸し出す。

単身赴任や学生の一人暮らしといった需要に加えて、家のリフォームの際の一時的な住み替え、介護での一時的なベッド利用など様々なニーズを掘り起こしたいという。「短期貸し出しできるサービスはまだ少ない」(栗栖社長)とみて、5年後に年3億円程度の売り上げを目指す。

現在の社員数はパートを除いて約300人。次なる成長に向けてこの1年で大量の中途採用を進め、社員教育中だ。23年から営業所を年1カ所程度ずつさらに増やしていきたい考え。10年後に売上高100億円を目指したいとしている。