ソウル市、「パラサイト」型の地下の住宅利用禁止へ 洪水による死者受け
韓国・ソウル(CNN) 韓国・ソウル市は12日までに、市内に暮らす最貧困世帯の一部を地下及び半地下の住居から移動させると約束した。現地では今週、記録的な大雨による洪水で13人が死亡。恐怖を訴える声のほか、政府に説明責任を求める世論が噴出していた。
死者の中には、地下に閉じ込められて溺死(できし)した家族も含まれる。これを受け、ソウル市は「半地下」の住居に人を住まわせるのを止める方針を明らかにした。こうした住居は大抵の場合狭い空間に複数の人々が不衛生な状態で暮らす。韓国映画「パラサイト 半地下の家族」でその存在が広く知られるようになった。
13歳の少女を含む上記の家族は、ソウル南部の自宅に水が流れ込んだ際、水圧でドアを開けることができなかった。
8日夜にソウルを襲った豪雨は、過去100年余りで最大の雨量を記録。低い土地では車両が押し流され、数百人が避難を余儀なくされた。
高額で知られるソウルの住宅市場では、半地下の住居は最も入手しやすい選択肢となる。住人のほとんどは若年層や低所得層だ。
ソウル市は10日、声明を出し、「将来ソウルでは、地下及び半地下を居住目的で使用することが認められなくなる」と述べた。
しかし専門家からは市の約束について、高騰する住宅コストがより大きな問題であるにもかかわらず、そこに踏み込んだものになっていないと指摘する声が出ている。
https://www.cnn.co.jp/world/35191796.html