北方領土の元島民の孫やひ孫にあたる北海道の中学生が、岸田総理大臣と面会し、北方領土の早期返還や交流事業の再開を訴えました。
総理大臣官邸を訪れたのは、北方領土に住んでいた元島民の孫やひ孫で、北海道に住む7人の中学生です。

このうち、祖父母が歯舞群島に住んでいた中村竣介さんは「『元島民のために』というのはもちろんだが、日本固有の領土ということを第一に、返還活動や交渉に臨んでほしい」と早期返還を訴えました。

また曽祖父が歯舞群島に住んでいた須崎ななみさんは「元島民の高齢化で、先祖が眠る墓地への『北方墓参』が難しくなっている。将来にわたって安定的に墓参りができるようにしてほしい」と交流事業の再開を求めました。

これに対し、岸田総理大臣は「北方領土問題を解決し、ロシアと平和条約を締結するという政府の方針は全く変わらないし、現在の洋上慰霊はしっかり支援していく。何より、政府と国民が一体となってこの問題を考え、活動していくことが大事だ」と述べました。

こうした面会は、例年、夏休みのこの時期に行われてきましたが、去年とおととしは新型コロナの影響で中止となったため、3年ぶりの開催となりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220804/k10013753421000.html