……ある時、アメリカ兵を処刑することになった。日本兵が「日本刀が強いか、蕃刀が強いか、競争しよう」と言った。日本兵が諸手で日本刀を握り、切ったが首が落ちなかった。

 今度は義勇隊員が「蕃刀」で、「捕虜の首をとれ」ということになった。片手でサーッとやると、首が落ちた。やはり「蕃刀」が強い。刀身が短く、あとは技術の問題。

……食糧が足らないから、高砂族が「山肉」(猪や鹿の肉など)とアメリカ兵の肉を混ぜて炊いた。人間の肉だよ。日本兵に喰わせたそうだよ。「山の人」はこの肉が何の肉か知っているから喰わない。

 だけど、後でアメリカ兵の肉と知って日本兵は皆、吐き出したそうだ。高砂族は「お前らは何もできない。山肉も捕れない、アメリカ兵の肉でも喰う」と心の中で嗤っていた。南方戦線に行った時に、そういう話があるんだ。

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