ハリガネムシは宿主カマキリを操り、水平偏光を目印に水に飛び込ませる


寄生虫のハリガネムシは宿主のカマキリを操り、川や池に飛び込ませる。その際、水面の反射光に含まれ、電磁波の振動が水平方向に偏った「水平偏光」が目印になっていることを発見した、と神戸大学などの国際研究グループが発表した。寄生生物が、宿主の光を感じる仕組みを巧みに操作して、宿主に行動を起こさせていることを示したのは世界初という。

寄生生物の中には、宿主の形態や行動を変えてしまう種も多く、ハリガネムシは代表例とされる。水中で孵化(ふか)し、最初に寄生する水生昆虫が羽化して陸に移るとカマキリなどに食べられ、今度はその体内で成長。成虫になると宿主のカマキリを操って水に飛び込ませる。そして水中に戻り繁殖して一生を終える。一方、泳げないカマキリはどうにか陸に戻るものの、寄生により内臓が弱っておりほどなく死んでしまうという。

https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210628_n01/