今夏も暑く、涼を追う日々が続く。ふと、肝試しをした思春期を思い出すことがある。「霊感がある」とうそぶく同級生の迫真の怪談に、背筋を凍らせた記憶は笑えて懐かしい。だが、超常的な「霊感」に現実的な「商法」が加わると、印象はガラッと変わり、現実世界の醜悪さが漂う

▶安倍晋三元首相の銃撃事件を機に、再び批判が集まった「霊感商法」。商品に超自然的な霊力があるように思わせ、不当に高い値段で売り込む方法だ。全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、昭和から始まった世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による霊感商法は今も続いているという

▶「地獄だった」。6日付の本紙連載「残響」には、旧統一教会への献金で家庭が崩壊した2世信者の悲痛な叫びが記された。旧統一教会を巡る問題に対応するため、法務省や警察庁、消費者庁は18日、関係省庁連絡会議を開く。今こそ根を絶たねば、宗教の名の下に犠牲になる家族はなくならない。

https://www.sankei.com/article/20220818-IHMS4Y3DFBMS5PH5PZNXVLYTAU/