日傘、男性にも市場拡大 晴雨兼用が主流に
都心の猛暑日が過去最多となった今夏、初めて使ったモノが2つある。
1つはハンディ扇風機。3年ぶりの野外フェス取材が、マスクをして参加となったので、娘のお下がりを持っていったのだ。使ってみると、顔に届く風が心地いい。夏場の屋外取材の必需品だと改めて実感した。
もう1つの初体験は日傘だ。ゲリラ豪雨に備え、夏はカバンに折り畳み傘を入れているのだが、今年はそれを晴雨兼用に換えた。最高気温が36度を超えた日、駅から離れたスタジオに向かう途中に日差しに耐えかねて初めて差してみたのだが、その涼しさに驚いた。
晴雨兼用とは、一般的に雨傘に紫外線を防ぐ遮蔽効果と光をカットする遮光効果を施した製品を示す。雨傘としての機能もしっかりと持っているので、カバンに入れておけば、急な夕立の時にも役に立つ。
「今年は晴雨兼用折り畳み傘を購入する男性が特に多い」と言うのは阪急メンズ東京・紳士用品雑貨営業部の歌丸春美マネージャー。同店ではプレゼント需要が大きい折り畳み傘だが、晴雨兼用は自分のために購入する人が多いそうだ。「この暑さじゃ、恥ずかしいなんて言ってられない」という声も聞かれたという。
阪急メンズ東京の一番人気は、折り畳み傘を初めて販売したと言われる独クニルプス。同ブランドの晴雨兼用傘の7月売り上げは、前年の3倍を超えた。
クニルプスの輸入代理店を務めるイマオコーポレーション（岐阜県関市）によると、7月の売り上げで、初めて晴雨兼用の「U.220」が1位になった。売り上げ全体でも46%が晴雨兼用タイプ。インターネット通販では男性の購入者も多いという。
歌丸さんによると、クニルプスが人気な理由に、開くときだけでなく閉じるときもボタンを押すだけというワンタッチ開閉機能もあるそうだ。「折り畳み傘を畳むのが苦手」という男性は意外に多く、そういった人にも支持されている。晴雨兼用なら雨の多い秋にも役立つだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63619300Q2A820C2KNTP00/
