【独自】ハウステンボス900億円近くで売却へ 香港の投資会社に、月内にも決定
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が、香港の投資会社PAGと交渉を進めている大型リゾート施設ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)の売却額が、900億円近い額になる見通しであることが19日、分かった。HTB株を保有する九州電力、西部ガスホールディングス、九電工、JR九州、西日本鉄道の地場5社も売却する方向でほぼ一致しており、月内にも取締役会を開いて決議するとみられる。
関係者によると、HISはHTB株の3分の1を保有する地場企業5社から全株式を買い取り、全体の約9割を売却する。PAGはコロナ禍で客足が落ち込んでいたHTBの業績回復が進み、株式上場を目指していることも踏まえ、高値で買収するもようだ。
HTBはPAG傘下で営業を続け、HISは運営からは退くとみられている。同社はPAGに対して従業員約千人の雇用維持などを求めているという。
1992年開業のHTBはバブル経済崩壊の影響もあり、2003年に会社更生法の適用を申請した。野村ホールディングス系の投資会社の下で再生を図ったが頓挫。10年にHISが20億円を出資して経営を引き継いだ。地場5社も計10億円を出資し、佐世保市も固定資産税相当額の交付金を出すなど、地元も経営再建を支援した。
HISは新型コロナ禍による海外旅行客の激減などで経営が悪化。22年4月中間連結決算では、中間期として過去最大となる269億1100万円の最終赤字を計上し、自己資本比率が5・8%に低下した。HTB売却による資金確保で、経営の立て直しを急ぐ考えだ。(ハウステンボス取材班)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/819d4718280e46b690398682278f7fde5fd79e43&preview=auto