ロック好きシニアのみなさま、ロックに興味がある若者に、ついつい先輩として、愛や経験を語りすぎたり、
自身の体験を自慢したり、時には若者を否定しちゃったりしていませんか? それ、“ロクハラ(ロック・ハラスメント)”かもしれません……。

アパレル店員のAさん(20代後半)。最近ハマっているバンドを中高年の先輩に言ったところ、
「売れてるよね。でもアレって打ち込みでしょ、ロックじゃないじゃん。ロック好きって言いたいなら、○○○を聴いてからじゃないと」
といきなり否定された。

カフェ店員のBさん(20代前半)は、
「『きっと気に入ると思うよ』と、おすすめCDを頼んでもないのにくれて(笑)」

大学生のCさん、
「中学生のとき、父のCDコレクションからいろいろ渡され、ビートルズ愛を語られたり、これ聴け、あれはどう思ったかとか。曲は好きだけどウザかったです(笑)」


──シニア世代のロックファンの皆さま、ついつい若者にこんなこと、してませんでしょうか。これらは、もしかしたら“ロック・ハラスメント”なのかもしれません。


「僕たちの若いころは、T・レックスやボブ・マーリーの来日ライブを見たとかいう大人が周りにいて、そういう話を聞くのをおもしろく感じていました。
『(ローリング・)ストーンズのあのライブビデオは見とかなきゃダメだよ』と言われたり。
たとえ説教交じりでもマウントだなんて感じるわけもなく、むしろありがたい話として聞いていたのですが(笑)」
と言うのは、多くのロックアーティストの写真を撮影するカメラマンでミュージシャンの石澤瑤祠さん(49)。

「たとえばストーンズのベロマークがプリントされたTシャツを着ている若い子を見ると、ついうれしくて、『好きなの!?』と言うと、
『よく言われるんすけど、そういうの意識してないんで』と(笑)。こっちは単純にうれしくて、『同志よ!』という気分なのに、彼らにとっては『おっさん、ウザいっす』なんでしょうね」

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