4月、イギリスBBCは「幸福な国」というタイトルのドキュメンタリー番組を放送。フィンランドに根付いた巨大な「移民」犯罪ネットワークを暴いた。
物乞い、ロマ民族かのように思われる人々がヘルシンキに集まり、同じ建物で暮らしていた。
道路で物乞いをするだけではなく、女性たちは夜間に売春婦として街頭に立ち、男性たちは薬物を販売していた。あまりにも安い価格で簡単に入手できてしまうため、現地の薬物依存者たちは誘惑を断ち切れずにいた。売春婦の若い女性たちは母国で貧困家庭で育ち、行き場所がないまま犯罪組織に利用されていた、中には12歳の少女まで路上に立っていた。
番組では、ヘルシンキ現地のサポート団体が夜に街を周る姿を捉えていた。女性たちにコンドームなどを無料配布し、彼女たちがいつでも助けを求められるように、信頼関係を築こうとしていた。しかし、組織の監視役が常に周囲にいるため、会話を阻止されることもあったと、団体スタッフは番組で語る。
フィンランドでは売春は全国レベルでは禁止されていない。各自治体の議会は禁止することを選ぶこともできるが、人道的ではないとの批判も浴びやすいため、禁止という対策は人気がない。
公園や森の中で売春をしはじめるが、追い出したところで別の場所に移動するのみで、解決にはならない。禁止するか・しないかという議論は、各地で何年間も続いている。
売春婦たちは自分たちの意志で街頭にいるのか、それとも巨大な犯罪組織が全ての収益を独占しているのか。
組織がいるのであれば、「かわいそう」だという善意で現金をあげていたフィンランドの人々は、組織の金儲けや人身売買を知らずに援助していたとも考えられる。
フィンランド全国にどれほど違法で入国した売春婦がいるのか。犯罪組織がどれほど関わっているのか。(納税せずに)どれほどフィンランドで利益をえているのか。実態を数字で把握することは困難を極める。
フィンランドはお金がある国だ、貧困で苦しみ、お金を乞う人に対して、なにかしてあげたいと思って何が悪い、と思う人もいる。どの立場の人も感情的になりやすく、議論は毎年繰り返される。
BBCの生々しいドキュメンタリーは、フィンランドの人々に衝撃を与えた。番組側は隠しカメラで2年間かけて取材。
怪しげな人々が共存する建物で、少女たちは中の様子をFacebookにアップしていた。高価な時計や大量の札束の写真。フィンランドの男性たちからもらったお金で、実は楽しそうな生活をしている少女たち。少女らは日中は家でヘロインに手を出し、夜間はジーンズと革ジャンを着て、街で幼い身体を売る。
テレビ局は予想していたであろう。番組放送後、フィンランドをネガティブに放送することに人々やライバルの報道機関は賛否両論だった。
放送後、翌日からヘルシンキの人々は移民に対する態度を激変させた。
罵倒を浴びせられ、足で蹴られ、冷たい目でみられるようになった。
現地の複数の支援団体は「全ての少女が番組のように売春しているわけではなく、放送内容は偏りすぎていた」と批判した。
BBCは、「幸福な国」という番組放送後、「売られる少女たち」という続編を放送していた。
犯罪組織に利用され、結婚をせまられ、妊娠させられ、「夢のような生活ができるよ」という甘いセリフで欧州他国へ連れていかれ、売春婦として生きることを強要される少女たちの様子だ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20220728-00073815