ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が8月25日、ゲーム機「PlayStation 5」の値上げを発表しました。9月15日から、希望小売価格が5500円アップします。
 「世界中で発生している物価の上昇や、好ましくない為替の動向」が理由だと、同社は説明。半導体や物流コストの上昇などで、ソニーグループはさまざまな商品を値上げしており、その一環なのでしょう。
 ただ、PS5に限っては「品薄でいまだに手に入りにくい」という問題がいまでも続いており、「買えないのに値上げなんてひどい」といった声が、買いたくても買えない人たちから上がっています。
続く品薄、“転売ヤー”の餌食に

 PS5は、2020年12月の発売から1年半以上経った今でも、手に入りにくい商品です。
 公式のソニーストアでの販売も抽選形式で、当たらないと手に入りません。その抽選販売も、7月が最後で、8月は行われていません。
 量販店などでのネット通販も、抽選販売が中心。量販店の店頭販売も不定期で、店頭で見つけることも容易ではありません。
 そもそも、発売当初から高額転売が横行し、いわゆる“転売ヤー”の餌食になった商品でした。「転売ヤーばかりが購入して本当に欲しい人に届かない」と当時から批判されおり、いまでも、フリマサイトなどでは高額転売されています。
メルカリでは定価を大きく上回る価格で新品が取引されている(筆者キャプチャ)
「買えないのに値上げするなんてひどい」

 そんな中での値上げ発表に、SNSなどでは、「買えないのに値上げするなんてひどい」「転売ヤーがさらに得するだけ」「手に入らなすぎて、買いたいという気持ちが失せた」などと、呆れる意見が続々と投稿されています。
 2022年に入り、ソニーグループは業界に先駆ける形で、さまざまな商品の値上げを発表してきました。
 厳しい世界情勢の中、業績を維持するためには必要な施策かもしれませんが、PS5に限ってみると、流通の実態やユーザーの気持ちを完全に無視した値上げになってしまったように思います。

https://news.yahoo.co.jp/byline/okadayuka/20220826-00312039/