赤字ローカル線の厳しすぎる実態から見えた、人口激減ニッポンの「不都合な真実」

https://news.yahoo.co.jp/articles/016885573eb29f34bee4fc0bdbfcc6a2ca6e2294?page=2

高齢化と人口減少による大打撃

 だが、将来を展望すると、今後はむしろ高齢化と人口減少による影響のほうが大きくなる。

 高齢化が進めば、自動車運転免許を自主返納する人も増える。

こうした点をとらえて「これからはマイカーから鉄道利用に切り替える人が増える」という見立てもあるが、ローカル線の沿線エリアにはすでに高齢者までもが減り始めている地域が少なくなく、こうした利用者も先細りとなる。

ましてや住民全部が駅を囲むように住んでいるわけでない。

加齢に伴い駅まで行くことが難しくなる人の増加も予想される。

 税金を投入して「上下分離方式」などの対策を講じればローカル線の収支は一時的に改善するかもしれないが、その多くは時間稼ぎに終わるだろう。

 それは路線バスへの転換についても同じことが言える。

地方においてバス路線も廃止の動きも広がっている。

 国土交通省の「交通政策白書」によれば、2020年度は乗合バス事業者の99.6%が赤字であった。

路線バスの廃止キロ数は2010年度から2020年度までの累計で1万3845キロに及んでいる。

 鉄道であるか、路線バスであるかにかかわらず、観光客を含めたその地域の商圏人口(周辺人口)が、運行事業者が存続し得る必要数に届かなくなければ経営は続けられなくなる。