こういうスレで必ず名前があがるドラゴンヘッドだけどあれは決して投げ出したわけじゃない
ドラゴンヘッドは恐怖とは何か?というテーマを根幹に据え、人間の想像力・感情が恐怖の根源であるとしつこいくらい丁寧に描き続けたある種のホラー漫画

正体が分からない事が人の想像を掻き立て恐怖が生まれる
サバイバル要素はスパイスに過ぎず、災害の原因を明かさなかったのは上記理由からだろうと思ってる

特に最終話が批判されがちだけど、本作の肝は上述したとおり想像力こそ恐怖の源であり、その象徴として暗闇がある
トンネルの闇から始まり、度々暗闇に怯える様子が描かれていた
そして最後にポッカリ口をあける大穴へ降りていき全面黒ベタの闇で物語を終えている

登場人物達が原因不明の災害に怯えながら確証のないまま、それでもそれぞれの恐怖を核であったり富士の噴火、龍脈の暴走等に仮託して辛うじて安定を得ている様子や、ロボトミー手術により感情を失って恐怖を消し去る傷頭の存在はこの漫画のテーマを鮮明に表している

この漫画は竜頭蛇尾ではなく徹頭徹尾計算されて描かれたホラー作品だ