中国経済の回復に警戒信号-海外需要急減と干ばつで景況感悪化

→自動車販売の伸び、 7 月に比べて大幅に鈍化

→生産・販売混乱で原材料の在庫増加ペースと完成品の価格上昇が加速

干ばつと世界的な需要低迷が成長見通しの新たなリスクとなっており、多くの面で警戒信号が点滅している。ブルームバーグが早めに発表される8つの指標をまとめた今月の総合指数は5と、7月と変わらず。

新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)による経済への打撃の一部を中国製品に対する強い海外需要が打ち消してきたが、8月はこうした需要が急減。世界貿易の先行指標である韓国の輸出は今月1-20日に前年同期比0.5%増と、辛うじてプラスを維持した。

中国国内の見通しも明るくない。不動産市場は8月も低迷。政府が数カ月にわたり住宅ローンを増やしローン金利を引き下げるよう取り組んでいるにもかかわらず、中国の上位4 都市では販売が急減し続けている。自動車販売の伸びも 7 月に比べて大幅に鈍化した。

記録的な干ばつに伴う電力危機や新型コロナの感染再拡大など、今月生じた逆風は、特に中小企業の景況感を損ねている。英銀スタンダードチャータードが中小企業500社余りを対象に実施した調査は、生産活動が「大幅に減速」し、新規受注が軟化、銀行の資金調達コストが上昇したため、8月に景況感が悪化したことを示している。

同行のエコノミスト、ハンター・チャン、丁爽両氏はリポートで、「四川省など幾つかの主要生産地域で見られたコロナ絡みの混乱と計画停電で、工場が一時的に閉鎖された」と説明。「生産と販売の混乱により、原材料在庫の増加ペースと完成品の価格上昇が加速した」と指摘した。


表図はソースで↓
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-26/RH7893T1UM0Y01