春川事件
 2012年8月、生活苦を理由に韓国の江原道春川在住の日本人女性信者(当時52歳)が韓国人の夫(当時51歳)の首を締めて殺害するという事件が起こった。事件当初、この日本人女性については「1995年にある宗教団体の斡旋で国際結婚した」と報じられた。その生活ぶりだが、10年ほど前から夫は腎不全のために人工透析で月70万ウォン(約7万円弱)ほどかかるようになった。その上、夫の飲酒と暴力に苦しめられていた。

 日本人女性は警察で「これ以上の治療費に耐えられず、自分も生きていくのが苦しくて〔殺害〕した」と供述したという(『中央日報』日本語版8月21日)。

 この事件について『週刊文春』(2012年12月6日号)は「統一教会「合同結婚式」の悲劇 ―日本人妻はなぜ韓国人夫を殺したのか」という見出しで詳細に報じている。それによると、彼女は1995年に36万組の合同結婚式に参加し、17年間韓国で暮らしていた。夫は無職で、基礎生活受給費約50万ウォン(約4万円)と、彼女が食堂や家政婦の仕事で一日12時間働いて得る50万ウォンで生活していた。子供はいなかった。

 彼女は統一教会に何度も相談して窮状を訴えたが、十分な支援を受けることができず、数ヶ月前から教会には出て行かなくなっていた。事件後、統一教会が選任した弁護士の要請で精神鑑定を受け、軽度の適応障害と診断されたが、本人は治療を望まず、殺人罪で起訴された。

https://note.com/hokkaido_up/n/n560935f7a28e