ソロモン諸島、米軍艦の寄港受け入れ停止-南太平洋の緊張高まる

・全ての米軍艦の寄港にモラトリアムを通知された-在豪米国大使館

・ソロモン諸島は4月に中国と安保協定を締結-米豪は強い懸念示す

南太平洋の島しょ国、ソロモン諸島が、米軍艦の寄港受け入れを一時的に停止した。ソロモン諸島は今年に入り中国と安全保障協定を結んでおり、米国との関係が悪化している。

  米政府はソロモン諸島から「手続きが更新されるまで全ての海軍艦艇の寄港にモラトリアム(一時停止)」を課すとの通知を29日に受けた。在オーストラリア米国大使館の報道官が明らかにし、「状況を注視」し続けると述べた。

  米沿岸警備隊の巡視船が23日、ソロモン諸島に給油などのため寄港許可を求めたところ、同国側から応答が得られなかった。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「定期的」な寄港だったが、巡視船は結局パプアニューギニアに向かったと説明。米政府はソロモン諸島の「決定に失望」しているが、今後は米艦船の寄港が認められると期待しているとも付け加えた。

首相声明

  ソロモン諸島のソガバレ首相は4月、中国政府との安保協定締結を発表。中国にとって大きな外交上の勝利となったが、米国や豪州は強い懸念を示しており、南太平洋を巡る主導権争いが一段と激しさを増している。

ソガバレ首相は30日、米沿岸警備隊の巡視船は寄港許可を得ていたが、それが伝えられる前にソロモン諸島の領海からすでに離れていたとする声明を発表。寄港承認プロセスが更新されるまでのモラトリアム措置は「全相手国」が対象になると表明した。

  同首相は過去に外国の軍艦が許可なく領海に入った「残念な経験」があったとし、「新しいメカニズムが整えば通知する」と明らかにした。

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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-30/RHEZ3GT0AFB501