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廃油を適切に処理せず捨てたとして、埼玉県警は31日、同県川越市石田本郷の金属加工業「小糸製作所」(清算中)代表の小糸 佳工よしのり 容疑者(62)を廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で逮捕した。同社が廃油を捨てた河川からは高濃度の有害物質「ジクロロメタン」が検出され、市は発生源を同社と特定している。

発表によると、小糸容疑者は昨年11月下旬、2回にわたり、河川に通じる同社工場の排水口に業務で使った廃油計約660リットルを投棄した疑い。

 ジクロロメタンは金属製品を製造する際の洗浄脱脂剤などに使われるが、飲むと肝機能障害などを引き起こす危険もある。同社近くを流れる入間川支流の麦生川で同年12月、環境基準の34倍にあたる1リットルあたり0・68ミリ・グラムのジクロロメタンが検出されていた。

 健康被害は確認されていないが、市は同社と小糸容疑者にジクロロメタンの除去費用などの賠償を求め、さいたま地裁川越支部に提訴している。