https://gigazine.net/news/20220901-midjourney-win-fine-arts-competition/
高精度な画像を生成できるAI「Stable Diffusion」などが登場し、人間と遜色ない絵が多数生み出される一方で、絵という芸術作品の著作権の概念が薄れつつあることも問題視されています。このほど、Stable Diffusionより一足先に登場していた画像生成AI「Midjourney」により生成された絵が、とある品評会で1位を獲得してしまったことが話題となっています。
2022年8月26日から開催されている第150回コロラド州品評会のデジタルアート部門において、ジェイソン・アレンという人物が提出した絵が1位を獲得しました。問題の絵はアレン氏本人ではなくMidjourneyによって生成されたもので、AIが人間を差し置いて優勝したことに対し、アーティストのジェネル・ジュマロン氏は「クソだな」とコメントしました。
アレン氏はこの絵の作成にあたり、独自のプロンプトを基にMidjourneyで何百枚もの画像を生成して微調整を行い、最終的に残った3枚を選択して提出したのだと話しています。他にアレン氏が行ったのは、Photoshopによる画像の微調整と、Gigapixel AIによる画像の拡大のみでした。

Midjourneyの絵が優勝したことで、ジュマロン氏を始めとする人間のアーティストは「AIがクリエイティブな仕事の死を早めている」と非難しています。OmniMorpho氏は「クリエイティブな仕事が機械に脅かされるのであれば、高度なスキルを必要とする仕事は時代遅れになる危険性があります。私たちの元には何が残るのでしょうか」と述べ、AIに仕事を奪われることについて危機感を募らせました。
一方でアレン氏は「物議を醸すことは分かっていました」と意見しています。アレン氏は「批評家たちは芸術を『制作方法』で判断しています。極端な見方をすれば、あるアーティストが逆さづりで描いた絵は、他のアーティストとは異なる評価を受けるべきということでしょうか?」と述べ、作品そのものではなく「誰がどのように描いたか」を評価する風潮に疑問を呈しています。また、アレン氏は「異なる評価をするために、批評家たちは『AI芸術』というカテゴリーを作ろうとしているのだとも想像します」とも述べました。
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