採用面接で優秀な人をいかに見抜くか
マッキンゼーの元採用マネジャーに聞く「人材の条件」 【第2回】
伊賀 泰代 :組織・人事コンサルタント
マッキンゼーにふさわしい資質とは?
――採用面接というごくわずかな時間で人を判断するのは難しいと思います。マッキンゼーにとって必要な人材を採用するために、どのようなところを見ているのですか。

 まず人が人を判断するということは、誤りが起こるものという前提を忘れてはいけません。誰一人「完璧な採用判断ができる」ような人は存在しません。

 その上でコンサルティングという仕事は、経営者に対するサービス業なので、まず企業の経営、マネジメント分野に関心があるか、接客業やサービス業に適性があるかということは見ています。

 よく、難問を解くことに興味がある方がマッキンゼーを受けに来られるのですが、難問を解くこととサービス業は適性が異なりますので、そういう方は難問を解くという適性を活かせる会社を選択されたほうがハッピーだと思います。

 もうひとつは、リーダーとしてのポテンシャルです。自分が人と違うと見られることを恐れない、周囲の意見に流されず自分の意見を決めることができる、間違っているかもしれないけれど自分の意見を周囲に伝えられる、といった点です。

 さらに、コミュニケーション能力も大事です。サービス業ですから、相手の意見を聞いて自分の意見を言い、話し合うことが不得意な人に向く仕事ではありません。前回、コンサルタントは部外者扱いされ、マイナスの状況からクライアント企業の中に入って行かなければならないと言いました。そうした逆風のなかで相手を説得するコミュニケーション能力が必要なのに、採用したいと思って会っている私を説得できないようでは話になりません。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/1398?page=3