外来種のアリ、タンスに巣・エアコン壊す…八丈島で大繁殖
2022/09/01 18:05

外来種のアリ「アシジロヒラフシアリ」が伊豆諸島の八丈島で大発生し、島民の生活が脅かされている。家の隅々に侵入して巣を作るだけでなく、エアコンを故障させる被害も相次いでいる。
東京都八丈町は、東京都立大などと共同で殺虫効果の高い毒餌を開発して駆除に取り組むなど、対策を急いでいる。

アシジロヒラフシアリは体長約2・5ミリ・メートルで熱帯アジア原産。日本では東京、神奈川、徳島、高知、宮崎、鹿児島、沖縄の7都県で定着が確認されている。植物などに紛れ込んで入ってきたとみられるという。八丈島で被害が目立ち始めたのは2011年頃で、現在は島全体に生息域が広がっている。

屋内のタンスの中や家具の下、壁の隙間などに巣を作って大発生するのが特徴で、21年度は電気の接続不良が27件、エアコンなどの家電や家具の被害が8件報告された。エアコンは室外機や本体に入り込み、電子基板をショートさせるなどして故障させてしまう。

同町住民課の小野高志係長(51)の自宅も被害に遭っている。小野係長は「気温が30度を超える日も多い。エアコンが故障したら、残暑を乗り切れるのか心配だ」と話す。

八丈島以外の国内の定着地では、ここまで深刻な被害の報告は少ないという。八丈島のアシジロヒラフシアリは遺伝子が変異するなどして、他の地域より大発生しやすくなっている可能性がある。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220901-OYT1T50223/