気候変動対策で普及が進む風力発電の導入量で、東北が全国首位を走っている。風の吹き方が発電に適していることに加え、電力消費地の首都圏に近いことが追い風となり、この10年間で約4倍に拡大した。再生可能エネルギー事業者は「東北の風力発電はまだ伸びる」とみるが、自然環境の保全や景観との調和には、地元から厳しい視線が向けられることもある。

風は最適、首都圏にも近接 事業者「まだ伸びる」

 送配電を担う東北電力ネットワークがまとめた東北6県と新潟県の風力発電の導入量の推移はグラフ(上)の通り。2022年度末の206万キロワットは、再生エネの固定価格買い取り制度が導入された12年度末(54万キロワット)の3・8倍。同社は27年度末には332万キロワットになるとの見通しを示す。

 日本風力発電協会(東京)の集計では、21年末時点の地域別の導入量はグラフ(下)の通り。資源エネルギー庁の電力調査統計によると、21年度に全国の風力で発電された電力の41・3%が東北由来だった。

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