“男性なら”いいの? 男性脱衣所に防犯カメラ設置7割 | NHK | WEB特集 | ジェンダー
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220901/k10013791231000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220901/K10013791231_2209011157_0901121928_01_08.jpg

先日、男湯や男子トイレに女性従業員が清掃に入ることへの違和感を訴えた男子高校生の声を紹介したところ、「実は気になっていた!」といったさまざまな反響が寄せられました。
その中に新たにこんな1通が。
「男性の脱衣所に防犯カメラが設置されているのは問題じゃないの?」
女性の脱衣所では見たことがなかったのですが、データや銭湯への取材から現状が見えてきました。脱衣所へのカメラ設置、どう思いますか?
(社会部 記者 勝又千重子)

NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に寄せられた「男湯、男子トイレに女性従業員が入ることはなぜ許されるのでしょうか」という投稿から、女性従業員が男湯を清掃している施設のデータや新たな取り組みを以下の記事で配信したところ、男性からも女性からもさまざまな反響がありました。

「ニュースポスト」への投稿
70代男性
「昔から『何でだろう』と思いつつ特に苦情も言わなかったが『やはり違うんではないか』と思う人も多くいるのでは?」
10代男性
「男だけ理不尽というか、もやもやしたものがずっとありました」

投稿を寄せた30代男性
そんな声の中で、これまで感じていた別の違和感をニュースポストに投稿してくれたのは、京都に住む30代の男性です。

30代男性
「今やほとんどのスーパー銭湯の男湯の脱衣場にはカメラがあります。いくら防犯のためとはいえ全裸になる所を電子媒体に残されるのは不快だし、顔認証など技術が進むなかでどう動画が処理されているのかわからないのは嫌です。新しいスーパー銭湯ほどカメラの数は多く、ドーム型であって、四方八方から撮られてる状態です。海外ではありえないと言われました。また女湯にあったら大問題になるんじゃないでしょうか。男だから我慢するのはおかしいと思います」

女性の私(記者)自身、女湯の脱衣所に防犯カメラがついているのは見たことがなかったので、男湯の脱衣所にカメラが付いていることを初めて知りました。

男性の中にも裸を撮影されるのは嫌だという人はいると思いますが、どのくらい設置されているのでしょうか。

全国のスーパー銭湯でつくる「温浴振興協会」が、ことし7月下旬にアンケート調査を実施したところ、134の施設から回答があり、次のような結果が明らかになりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220901/K10013791231_2209011144_0901121928_01_05.jpg

7割余りの施設が、男湯の脱衣所に防犯カメラをつけていました。

(中略

男性学などジェンダーの問題に詳しい京都産業大学の伊藤公雄教授は。

京都産業大学 伊藤公雄教授
「『男性だから裸を撮られても気にならないだろう』とか『犯罪の摘発を重視してもいいだろう』という意識が働いていると思いますが、男性の脱衣所にカメラがついていること自体が人権侵害だと思います。裸になる場所にカメラを設置されることを嫌だと感じる人がいる前提で運営をしていくべきで、犯罪を防いだり、摘発したりするという目的は、別の方法を考えるべきではないでしょうか」

(後略