吉田茂の国葬はものすごい批判にさらされた 佐藤栄作が死んだ時、国葬は国民葬となり、以後国葬は消えた [476729448]
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◆ 「国民葬」の誕生
「記事では日本大学名誉教授の岩井奉信氏が取材に応じ、『明治維新以降、天皇陛下は一貫して国葬だったが、
戦後、国葬令が失効し、首相で国葬となったのは吉田茂(1878~1967)だけだった』と指摘しました。
こうした前例の積み重ねに、《日本人の「政治センス」》が読み取れるとしたのです」(前出の担当記者)
戦後、首相経験者の葬儀に国費が使われた例として、「国葬」、「国民葬」、そして「内閣・自民党合同葬」がある。
国葬は吉田茂だけというのは前に見た通りだが、経緯を確認しておこう。
「吉田茂の国葬を決断したのは、当時の首相・佐藤栄作(1901~1975)でした。ところが、吉田の国葬に、
多くの有権者が反発しました。佐藤栄作が死去した時も国葬が検討されましたが、野党などが反対したこともあり、
『国民葬』とすることで妥協が図られました。主催者は、内閣、自民党、そして国民有志というものでした」
(同・担当記者)
国葬の場合、費用は全額、税金から捻出される。佐藤栄作の場合、国が全額負担をしないことで有権者の理解を求めたと言っていい。
産経新聞といえば保守的な論調で知られるが、安倍元首相の国葬が決定する前、興味深い記事を掲載している。
◆ 昔も国葬に反対した有権者
7月13日の朝刊に載った、「安倍氏『国葬』待望論 法整備や国費投入課題 政府『国民葬』模索も」という記事だ。
《国と自民党が費用を出し合う合同葬でさえ、一部野党や左派メディアは反発する。全額を国が負担する国葬をあえて復活させれば
さらに強く抵抗し、政権運営にも影響しかねない》
今は多くの有権者が国葬に反対している。文中の《一部野党や左派メディア》は訂正が必要だが、あとは現状を“予言”した記事と言っていい。
ただ、国葬に国費が使われることに反対している有権者が存在するのは事実だが、そればかりではない。
「『国民葬』は結局、佐藤だけで終わってしまいました。首相経験者の葬儀方法として定着しなかったのです。
やはり首相経験者の死去に際して、『国民の全員から弔意を求める』ことが難しいのでしょう。
その後、大平正芳(1910~1980)、岸信介(1896~1987)、福田赳夫(1905~1995)、中曽根康弘(1918~2019)といった
首相経験者の葬儀は『内閣・自民党合同葬』で、税金は使われましたが、『国民』の文字は消えました」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています