愛媛大学は3月10日、118種類の原子すべてをまとめた周期表に記載されていない、仮想的な原子からできているかのように振る舞う物質を発見し、その物質中では質量がゼロの特殊な電子が光速に近い速度で動き回っていることも発見したと発表した。
同成果は、愛媛大大学院 理工学研究科の内藤俊雄教授らの研究チームによるもの。詳細は、結晶学に関連する全般を扱う学術誌「Crystals」にオンライン掲載された。
現在の科学では原子番号1の水素から同118のオガネソンまで、118種類の原子の存在が確認されており、それらはすべて周期表に記載されている。研究チームは、さまざまな分子からなる伝導性物質や磁性体などを長年にわたって研究してきており、
これまでも、紫外線を当てたときだけ金属に変わる有機物など、ほかの物質には見られない機能を持った新しい物質を発見してきたという。今回の研究もそうした一連の流れとして、
新しい物質を調べている最中に、118種類のどれでもなく、周期表に記載されていない“仮想的の原子”からできているかのように振る舞う硫黄とセレンの中間的性質を示す原子を発見したという。

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