名古屋市北区の名古屋高速道路で8月、
大型バスが横転・炎上した事故は9人が死傷する惨事となり、事故原因や運転手の勤務実態の捜査が進められている。

バス業界では今、運転手の人員不足や高齢化、長時間労働が深刻化。
体調不良などによる事故リスクの高まりも懸念される。

新型コロナウイルス禍や燃料高の追い打ちで経営体力がそがれる中、
バス各社にとって運行の安全確保が改めて課題となっている。

「事故を人ごととは思えない…」。

五十代のバス運転手の男性は八月下旬、乗客を乗せてバスを運転中、突然目まいに襲われた。
路肩に停車し、無線で本部に運転手の交代を求めたが、その後も約二十分ほど走った。

「意識を失っていたらと思うと、ぞっとする」

男性の会社は慢性的な人手不足で、一日の拘束時間が上限の十六時間に及ぶ日も。
コロナ禍で高速バスなどの需要は減ったものの、
路線バスを中心に所定のダイヤは維持しなければならず、人手不足の状況は変わらない。
感染者などが出ると急な出勤を求められることもあり、
男性は「ベテランの人材に頼っているのが実情で、疲れがたまっている同僚は多い」と明かす。

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