「ごみ袋に名前を書かないといけないルールに違和感を抱いている」。2年前に相模原市から秋田県北秋田市に移住した女性からそんな声が「こちらさきがけ特報班」に寄せられた。家庭ごみは個人情報などプライバシーに関わるものを含んでいるため、この女性は「もしかしたら見られていると思うと不安だ」と抵抗感を示す。記名を求める自治体側には分別マナーを守ってもらいたいとの思いがあるが、専門家は「丁寧に説明する必要がある」と指摘する。

 声を寄せたのは北秋田市の斎藤美奈子さん(34)。秋田の食文化に興味を持っていたことから2020年7月に移り住み、地域おこし協力隊員として市の移住促進コーディネーターを務めている。

 以前住んでいた相模原市ではごみ袋に記名欄がなかったため、北秋田市に来てごみ袋に名前を書くと知った時は衝撃を受けた。これまで地域住民と何度かこのことについて話したことはあるが「なぜ嫌なのか?」「それがごみ出しのルールだから」といった反応が多かった。
世帯主の名前が記されたごみ袋=8月、北秋田市のごみ集積所(写真は一部加工)


 「北秋田市は治安がよくて住みやすいのは分かっている。ただ、1人暮らしの女性が出すごみが誰かに見られたらと思うと、不安や気持ち悪さがある。市が移住促進を図っている中、マイナスになり得る課題でもあると思う」と斎藤さん。

 市の燃やせるごみ専用のごみ袋は、白の半透明。中央に世帯主氏名を書く枠があり、枠の下には「氏名が記入されていない場合は収集しません」と明記されている。

https://www.sakigake.jp/news/article/20220905AK0001/