
店名が過激過ぎる!? 老舗パブ、改名の危機!
■創業350年の老舗パブが、店名が差別的だという理由で改名を言い渡される可能性がある。英各メディアが報じた。
改名危機にあるのはスコットランド、西ロージアンの町、リンリスゴー(Linlithgow)にある17世紀から続くパブ「ザ・ブラック・ビッチ(The Black Bitch)」。
店名が過激過ぎるとの抗議を受け、パブチェーン大手のグリーン・キング社は新店名を「The Willow Tree(柳の木)」に変更する可能性を示唆している。
地方評議会には店名変更を望む声が500人の署名付きで提出されているという。
同地域出身のSMP議員は「歴史を知らない連中の声だ。人口1万3000人のリンリスゴーで1万1000の人が名称変更を望まないと投票している」と話す。
店の名前はこの地に700年も伝わる逸話に基づいている。
店名変更案に住民からは「地方史への冒涜」「下らない倫理観の押しつけ」と怒りの声が上がっている。
問題となっている店名の「The Black Bitch(黒い雌犬)」は今から700年ほど前にこの町で起こった逸話に基づくもの。
ある法を犯した男が餓死刑を言い渡された。彼は町にある池の真ん中に浮かぶ小さな島に連行され、樫の木に鎖で繋がれた。
数日で餓死するはずだったが、役人が行ってみると男はいつもピンピンしていた。
不思議に思った住人たちが監視しているとある晩、池に向かって泳いでいる犬が目撃された。
犬は男が飼っていたメスの黒いグレイハウンド犬で、毎晩、夜陰に紛れて食料と飲み水を男に運んでいることが分かった。
町の人々は犬の忠誠心に大いに感心した。いつしか忠誠と勇気の象徴として黒いメス犬を町の紋章に組み込み、
町に黒いグレイハウンドの銅像が建てられた。そして350年ほど前、町にパブ「ブラック・ビッチ」が開業した。
つまり店名には悪意や差別のかけらも見られず、ある意味、歴史的遺産。
ビッチ(bitch)は長い歴史の中でいつしか差別的な意味合いを含むスラングになってしまったが元々は「メス犬」を表す単語。
あとだしジャンケンが勝つとしたら誠に不条理。
https://www.japanjournals.com/uk-today/17239-220905-1.html