https://www.chunichi.co.jp/article/539737

尿路上皮がん 縮小に効果 ステージ4対象 新薬「パドセブ」

膀胱(ぼうこう)がんなど尿路内にできるがんが進行した場合、従来は治療法が限られていたが、新しい薬が登場した。がん細胞にくっつく抗体に、抗がん剤が結び付けられている点滴薬で、ステージ4の患者が対象となる。がんを縮小させる効果が確認されており、患者たちの希望となっている。(細川暁子)
 新薬は昨年11月に発売され、公的医療保険適用となった「パドセブ」。アステラス製薬(東京)と米企業が共同開発した。腎臓内の腎盂(じんう)や尿管、膀胱、尿道の内側を覆う粘膜から発生する「尿路上皮がん」のステージ4の患者に使うことができる。尿路上皮がんのうち、膀胱がんが9割を占めている。
名古屋市の男性(53)は3年前、血尿がきっかけで膀胱がんが判明。手術を受けたが、昨年夏に骨と肝臓への転移が分かりステージ4と診断された。抗がん剤と、免疫細胞の働きを正常に保つための免疫チェックポイント阻害薬で治療後、今年2月からパドセブを使っている。「画像でがんが小さくなったのが目に見えて分かり、がんと闘おうという気力が湧いてきた」。