岐阜県警地域部は今夏(7~8月)の山岳遭難と水難事故の発生状況をまとめた。山岳遭難は37件40人(14件14人増)、水難事故は28件43人(16件22人増)といずれも増加し、過去5年で最悪となった。同部は「新型コロナウイルス禍の行動制限が解かれ、人の動きが活発になったことが一因」と分析している。
山岳遭難のうち北アルプスでの発生が24件26人(6件6人増)で、件数、遭難者とも全体の6割以上を占めており、遭難者のうち死者は3人(1人増)だった。一方で、金華山(岐阜市)など北アルプス以外の遭難は13件14人(8件8人増)で北アルプスの増加率を上回っており、同部は近年の低山登山ブームが影響しているとみている。
水難事故のうち、死者は10人(4人増)、負傷者は2人(2人増)といずれも増えた。昨年は「まん延防止等重点措置」などに伴うコロナ対策で、県がバーベキューの自粛を呼びかけるため河川敷の出入り口を封鎖するなど河川の利用者が減少しており、増加はその反動とみられる。発生件数は長良川11件(9件増)、板取川9件(8件増)、付知川1件(2件減)など。水遊び中が24人(21人増)で約半数を占めた。
中島良典県警地域部長は「山、川とも、県民の行動の変化が表れたと考えている。事故なく利用してもらえるよう、引き続き対策を検討していく」と話した。
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