◆プロボクシング 報知新聞社後援第616回ダイナミックグローブ ▽フェザー級(契約体重55・8キロ以下)10回戦 〇赤穂亮 (1回KO) エドリン・ダプドン●(3日、東京・後楽園ホール)
WBOスーパーバンタム級12位、IBF14位の世界ランカー・赤穂亮(横浜光)がエドリン・ダプドン(フィリピン)に初回KO勝ち。13連勝を決めた。
戦績は赤穂が39勝(26KO)2敗2分け、ダプドンが35勝(21KO)8敗1分け。
赤穂がたった一発で「元世界王者」をキャンバスに沈めた。立ち上がりから前に出て冷静に試合を進めると、憧れの元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)ばりの強烈な左フック一閃(せん)。腰を落としてダウンしたダプドンは、膝をついたまま立ち上がることができず、10カウントを聞いた。
「相手は1回しかKO負けしていないので、長くなると思っていた。前半KOは考えてもいなかった。流れが来たのでいった」と赤穂。4月の試合では、リカバリーがうまくいかず、足に力が入らなかったという。そのため、「今回、43戦目で一番リカバリーに気を使った。試合も慎重に入って、1ラウンド目を取られてもいいからと、丁寧にやった」という。
3人の娘に続き、4月に長男・桜虎(おうが)君が生まれた。「家族がモチベーション」という赤穂はこの日、3女の叶愛(るあ)ちゃんをリングで抱き上げたが、次は桜虎君もリング上での抱っこを夢見ている。「上の娘2人が誇れるオヤジでいられるようにしたい。そうすれば、世界タイトルも見えてくる」と言葉に力を込めた。
「一番、赤穂の良さが出る試合だった。相手のスタイルを見たら、序盤に決められると思った」と話した横浜光ジムの石井一太郎会長は、次戦の相手に元WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)、元WBC世界同級王者ルイス・ネリ(メキシコ)らが候補に挙がっていることを明らかにした。開催地は未定だが、既に「契約書にサインする前の段階」という。「どちらと戦いたいか?」と聞かれた赤穂は「カシメロとやりたい。サウスポーはイヤなので」と笑ったが、世界戦並みに話題を集める一番となりそうで気を引き締める。「いい加減、答えが欲しい。ここで勝てるようなら、本気でもう一度、世界を狙う」。元世界チャンピオンを倒して、3度目の世界挑戦を引き寄せる覚悟を示した。
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