安倍氏国葬の水面下で動く「後継選び」複雑な思惑
来年の衆院山口4区補選をめぐる駆け引き
泉 宏 : 政治ジャーナリストhttps://toyokeizai.net/articles/-/618436?page=2しかし、昭恵氏は葬儀の報告とお礼のために出席した7月21日の安倍派総会で、「私は補選には出ません」と明言した。

総会出席者によると、その際、昭恵氏は「(安倍氏は)清和研の会長としてやりたいことがたくさんあった。ぜひそれを皆さんで引き継いでいただきたい」などと語ったという。昭恵氏は同日、岸田首相を始め、首相経験者の菅義偉、森喜朗、福田康夫各氏ともそれぞれ個別に面会、「自らの思いを伝えた」(安倍家周辺)とされる。

さらに昭恵氏は、8月初めに墓参りで地元を訪れた際、関係者に対し「東京に高齢の義母が住んでおり、彼女の面倒を見る予定です」と、当面は介護が必要とされる洋子氏の世話に専念する意向も伝えている。

ただ、昭恵氏は最愛の夫を突然失った際、「安倍家から出ていくべきかそのまま留まるかで、悩み抜いた」(昭恵氏周辺)とされる。「安倍家に迷惑をかけないため、死後離婚も考えたが、地元山口で後援者達と交流するうちに、やはり『安倍昭恵として生きるべきだ』と考えるようになった」(同)というのが現状だ。