なぜ“今どきのオジサン”は「Z世代」に優しいのか

 ネットのニュースでもテレビのバラエティでも、Z世代はどうだとか、世代間ギャップがどうといった話を目にする機会は多い。
「Z世代」とは1996年ごろから2010年ごろまでに生まれた人で、現時点で10代から20代中盤ぐらいまでを指す言葉である。
X世代、ミレニアム世代(Y世代)と来て、その次なのでZ世代というわけだ。
ちなみにZ世代の次は、アルファベットが最後まで行ったので、α世代というそうである。

 若者層のトレンドや消費動向を分析するということは、それこそ昔から行なわれてきた。
若者層は情報伝達が早く、瞬間的に集中して一点に消費活動を行なう、すなわちブームを作るので、そこをうまく仕掛ければ、もうかるからである。
低価格なスイーツやドリンクといった消費材はもちろん、自動車のような高額商品でも、残りの人生が長いのでローンも通りやすい。

 だが昨今のZ世代に関する論説を読んでみると、市場としての若者分析ではなく、
Z世代の「人間そのもの」を理解しようと努めているように見える。

インターネットとともにあった“今どきのオジサン”

 ちょうど2000年に生まれた人は今年22歳で、大卒の新社会人年齢と合致する。
まさにZ世代のど真ん中であり、ちょっと厳しくすればパワハラだのモラハラだの言われてしまうオジサン達にとっては、
新社会人を腫れ物のように扱っているように見える。
まさにオジサン受難の時代である。だが筆者の周りにいるオジサン達は、一生懸命Z世代のありようを理解し、
そのまま受け入れようとしているようにみえる。それはなぜなのか。

 ここでは仮にオジサンを、2000年に22歳で新社会人だったぐらいの人たち、と設定してみる。現在44歳。
失礼な、まだオジサンではないと憤る方もあろうかと思うが、すでに何らかの役職にあるならば、
22歳の若者から見れば自分に一番利害関係のあるオジサンど真ん中層であるはずだ。

 そんな今のオジサンが新社会人になった2000年前後といえば、
Windows 98の普及とともに家庭内にまでインターネットが普及し、近々Windows XPが登場する頃だ。
「iモード」が大ヒットし、おぼろげながらモバイルインターネットの形が幕を開けた。

https://www.itmedia.co.jp/news/spv/2209/14/news082.html