「岸田外交」で巻き返しなるか 19日から訪米
https://news.yahoo.co.jp/articles/3219dbfcdbb05385822f4ad84a5887d3b31ff794

政府は16日、岸田文雄首相が19日から米国を訪問し、国連総会に出席すると発表した。
21日に日本の首相として3年ぶりに対面形式での一般討論演説に臨み、
滞在中にはバイデン大統領と首脳会談を行う方向で調整している。
安倍晋三元首相の国葬や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を巡って
厳しい批判にさらされる中、外交で得点を稼ぎたい考えだ。

演説では、安全保障理事会を含む国連改革や国際社会における法の支配の推進を表明し、
「核兵器なき世界」実現への意欲も訴える。松野博一官房長官は16日の記者会見で
「ウクライナ侵略で国際秩序の根幹が揺らぐ中、わが国の考え方を積極的に発信し、国連の役割を強調する」と述べた。

包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を目指す初の首脳級会合や、
ニューヨーク証券取引所での講演も予定している。

国内では政権への逆風が勢いを増している。
首相は8日に国葬に関する初の国会審議に出席。自ら法的根拠や費用の妥当性を説明したが、
「風向きを変えるには迫力不足」(閣僚経験者)で理解は広がっていない。
自民党が同じ日に公表した旧統一教会を巡る調査結果も国民の不信を払うにはほど遠い内容だった。

首相は、外相を連続で戦後最長の4年8カ月務めた実績を持つ。
首相としてはウクライナ情勢で注目される今回の国連総会で「岸田外交」をアピールし、
求心力の回復につなげたい狙い。
外務省幹部を連日、官邸に呼んで入念に準備を重ねており、
首相周辺は「得意の外交のターンになれば、起死回生の芽が出てくる」と期待を抱く。(河合仁志)