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歌舞伎町ビル火災から21年 遺族が献花 事件は未解決のまま

44人が亡くなった東京 歌舞伎町のビル火災から9月1日で21年です。31日夜、遺族がビルがあった場所を訪れ、花を手向けて犠牲者を悼みました。
平成13年9月1日の未明、東京・新宿区歌舞伎町にあった雑居ビルから火が出て燃え広がり、3階のマージャンゲーム店や4階の飲食店にいた従業員や客など合わせて44人が亡くなりました。

警視庁は何者かが火をつけた疑いがあるとみて捜査を続けていますが、未解決のままです。

火災から9月1日で21年となるのを前に、31日夜、ビルのあった場所を遺族や支援者が訪れました。
ビルに入る飲食店で働いていた植田愛子さん(当時26)と妹の彩子さん(当時22)の娘2人を亡くした植田安子さん(70)は、2人が好きだった色の花を入れた手作りの花束を手向け、犠牲者を悼みました。

植田さんは「娘たちが『ことしも来てくれたんだ、ありがとう』と言ってくれたような気がします。少しでも多くの人に火災のことを覚えていてもらうことで、事件の解決に結び付いてほしいです」と話していました。

また、火災前に飲食店で働いていたという女性も献花に訪れ「毎年この日は一緒に働いていたお姉さんたちのことを思い出して、会いに来ています。来週会おうねという約束をしたまま、火災に巻き込まれて亡くなった友人もいます」と話していました。

この火災では、ビルの防火扉の前に物が置かれていて扉が正常に閉まらず、多くの犠牲者を出す原因となったことから消防法が改正され、消防の立ち入り検査の権限が拡大されたほか、悪質な違反をした企業への罰則が強化されました。