働かないおじさん「妖精さん」へ サイボウズ社長からの進言

高収入なのに、会社への貢献度が低い“妖精さん”こと「働かないおじさん」問題が、にわかに関心を集めている。
経済誌が特集を組んだり、ウェブメディアの記事を目にしたりすることも少なくない。でも……。どうして胸がザワザワするのだろう。変わらないといけないのに変わらない。日本の企業風土が抱える欠陥を、この問題は反映しているのではないか。
先進的な人事制度を相次いで導入するIT大手「サイボウズ」(東京都中央区)の社長、青野慶久さん(51)に尋ねると、企業と個人が変わるための“処方箋”が次々と見えてきた。前編・後編で紹介する。【聞き手・安藤龍朗】

――経営者の視点から「働かないおじさん」問題をどのように捉えていますか。それを見た優秀な若手が幻滅して、大手企業を辞めてしまうこともあると聞きます。

◆私は大学卒業後、松下電工(現パナソニック)に入社したので、いわゆるレガシー(遺産)な会社を経験しています。「役に立たない上司の下で働くのは嫌だな」という気持ちはありました。

「働かないおじさん」という話題に注目が集まるのは、企業が行き詰まっているからかもしれませんね。話題自体はたぶん昔からあったと思います。1990年代や2000年代は、余裕があったと思うんですよね。
大企業は毎年、利益を出せた。「働かないおじさん」がいてもいいかなというような感じですね。それが今は「働かないおじさん」が何割もいたら、経営危機になってしまいます。企業の危機意識が高まっているということでしょうか。

https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/040/078000c