「最強台風」勢力なぜ弱まった

 「過去最強クラス」と警戒された台風14号は18日夜に鹿児島市に上陸し、19日にかけて勢力を弱めながら九州を縦断した。
気象庁は当初、九州の西の海上から九州に接近すると想定していたが、
東側の陸上にずれたことで急速に衰え、九州北部の雨量や風は予想を下回った。

 気象庁によると、台風14号は17日、九州に比較的近い南の海上で急速に発達し、中心気圧910ヘクトパスカル、最大風速55メートルに。
強さの階級で最高の「猛烈な」台風となり、九州7県が災害発生前に初めて災害救助法を事前適用するなど異例の警戒態勢が取られた。

 ただ、台風は九州上陸前の17日夜から、上空の乾いた空気を取り込むことでやや衰え、
上陸後はエネルギー源となる海水からの水蒸気がなくなったことなどから、
19日午前0時の段階で強さの階級は上から3番目の「強い」台風に。同日午前9時には九州を抜けて階級をさらに落とした。

 台風は高気圧の縁に沿って進む。19日の記者会見で進路が予想からずれた理由を問われた気象庁の担当者は、
太平洋高気圧の西側への張り出しが弱かった可能性を指摘しつつ「ぶれの範囲内で何とも言えない」と予測の難しさを強調した。
日本気象協会の松井渉気象予報士は、宮崎県では記録的な大雨が降ったとして
「九州北部の被害が大きくなる進路を通らなかったのはたまたま。油断せず、今回の備えを次につなげてほしい」と呼びかけた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2c29de6ee28582a36e3eb601fde803ab50e4571d